彼らもTVの影響を受けて、建築学科に入学した口です。要領が良い訳でもなく、友達が多い訳でもないので、努力あるのみです。全ての講義に出席し、試験の時だけ人気者。それは、律儀に書き留めた彼のノートです。そのころから、パシリの始まりか・・・?
教養課程では、中の中。なぜか、ノートを貸した者よりも、成績が悪いのです。誰のために、講義に出席していたのかと思うほど。人生こんなものなのでしょうか・・・?
専門課程でも、根性・忍耐・努力の毎日。寝る時間も惜しまず、先輩の図面描きです。自分の設計課題をする時間もなくなり、タイムオーバー。
人だけは良いのですが、ただそれだけです。
真面目を絵に描いたような人間ですから、企業からの受けは良いのです。4年の後半には、なんとか内定を頂き、中小ゼネコン設計部や、中小設計事務所に就職していきます。
センスも特別良いほうではないので、上司から何度もどやされ、残業の日々。月間残業時間が、300時間オーバーする時もあるのです。次第にやせ細り、人生辛抱あるのみの生活が続きます。
最低2年に一度は、転勤か、地方現場常駐監理です。一応、現場では先生として、チヤホヤされて、本人もその気になってきます。しかし、月に一度の定例会議では、以前と同じように、上司にどやされ、意気消沈。そのうち、こんな会社なんか・・・?
よせば良いのに、40歳を過ぎるころに、独立してしまうのです。しかし、大した仕事もなく、伝をたどって、営業活動の毎日。嘗ての部下にも頭を下げて、図面の下請をやっとの思いで受注するのです。
親切で真面目、人は良いので、受けは非常に良く、たまには、注文住宅の受注もあり、本人、やる気満々です。しかし、手薄な人脈ですから、そんなに連続して設計受注できるものでもなく、またまた下請です。
光る才能とセンスでもあれば良いのですが、なにせ・・・?なんとか生活だけは出来るのですが、先の見通しが立ちません。このまま一生、根性・忍耐・努力の人なのでしょうか。